【Windows】AtomとSumatraPDFを利用したLaTeXでの文書作成の環境構築

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LaTeX Windows

B!
Daniel AgreloによるPixabay(https://pixabay.com/)からの画像

こんにちは, Shinoryoです.

以前, 私はTeXworksを用いてLaTeXでの文書作成を行っていました. 今回は, LaTeXのでの文書作成の環境を変えたので, それについて書き留めておこうと思います.

20220724追記 Atom開発停止の件

2022年6月8日, Atomが開発停止になる予定だということが発表されました.

公式にアップデート等がされなくなるとなると, Atom以外のエディタを使用した方が良いと私は考えます.

例えば, Microsoftの「Visual Studio Code (VS Code)」は非常に有名なエディタです. 以下の記事でVS Codeを利用したLaTeXのでの文書作成の環境構築について触れています. 具体的な環境構築手順については他に譲るとして, 以下の記事ではそれを実行するにあたって困りそうなことを中心に補足しています.

現在の環境

現在の私のLaTeXのでの文書作成の環境は以下の通りです.

  • OS:Windows
  • TeXディストリビューション:TeX Live
  • PDFビューアー:SumatraPDF
  • エディタ:Atom

TeX Live

TeX Liveとは

(Karl Berry, Norbert Preining, Johannes Hielscher, Public domain, via Wikimedia Commons)

TeX Liveは, .texファイルを.pdfファイルにコンパイルするための処理系の一種です. TeX Live, W32TeXなど, さまざまな種類があります(一部, 対応していないOSなどがあるみたいです).

TeX Live is intended to be a straightforward way to get up and running with the TeX document production system. It provides a comprehensive TeX system with binaries for most flavors of Unix, including GNU/Linux, macOS, and also Windows. It includes all the major TeX-related programs, macro packages, and fonts that are free software, including support for many languages around the world.

(訳:TeX Liveは, TeX文書作成システムを動かす簡単な方法となることを目的としています. GNU/LinuxやmacOS, そしてWindowsを含むほとんどの種類のUnixに, バイナリデータを備えた包括的なTeXシステムを提供します. フリーな全ての主要なTeX関連のプログラムや, マクロパッケージ, そしてフォントを含んでおり, 世界中の多くの言語に対応しています. )

(出典元:TeX Live - TeX Users Group)
(参照:2020-04-18)

今回, 私はTeX Liveを採用しました. TeX Liveなら, 多くのOSでダウンロードできると思います.

TeX Liveのダウンロード方法

TeX Live - TeX Users Group」よりダウンロードできます. 英語のサイトですので, 「TeX Live - TeX Wiki」を見ながら行うと, 分かりやすいかと思います.

TeX Liveのインストールにはかなりの時間がかかります(私は5時間半くらいかかりました). TeX Wikiによると, TeX Users Groupのサイトからダウンロードするよりも, 各種ミラーサイトからダウンロードした方が速いようです. 半端ない時間がかかりますので, 各種ミラーサイトを利用した方が良いかもしれません.

途中でTeX worksをインストールするかどうかを確認する画面が出てくるかと思います. 今回, TeX worksを使用しませんので, ここではインストールしませんでした.

SumatraPDF

SumatraPDFとは

SumatraPDFとは, Windows向けのPDF(他にも閲覧できるファイル形式はあるみたいです)ビューアーです. 一般的に使われているAdobe Acrobat Readerと異なり, ファイルを閲覧中にそのファイルを更新することができ, 更新結果が即時反映されるのが特徴です.

SumatraPDFのダウンロード方法

Free PDF Reader - SumatraPDF」からダウンロードできます.

Atom

Atomとは

Atomは, GitHubが開発するテキストエディタです.

LaTeXのでの文書作成では, メモ帳などで.texファイルを作り, 手動でTeX Liveなどに投げることもできます. しかし, 何度もそのような作業をするのはなかなか手間なので, 適切なテキストエディタを使用するのが一般的です. 適切なテキストエディタを使用することで, 1動作で.pdfファイルを作成することができ, どのような文書になるかをちょくちょく確かめることができます.

Atomのダウンロード方法

以下のWebページ(「Atom.io」)からダウンロードできます.

Atomにインストールするパッケージ

Atomでは, 「パッケージ」をインストールすることによって, さまざまな拡張機能を導入することができます. メニューバーから「File」→「Setting」→「Packages」と進むことで, 今どんなパッケージがインストールされているのかを確認することができます.

  • Community Packages
    自分でインストールしたパッケージは, 基本的にここから見ることができます.
  • Core Packages
    最初から入っているような, 重要なパッケージです.

今回, 私がLaTeXでの文書作成の環境を整えるためにインストールしたパッケージは以下の通りです.

  • japanese-menu
  • latex
  • latexer
  • language-latexsimple

japanese-menu

japanese-menuパッケージを使用した際の図

japanese-menuパッケージは, Atomのメニューバーなどを日本語化します. 日本人には素直にありがたいパッケージです.

Atom のメニューバーとコンテキストメニュー, 設定画面を日本語化します.

(出典元:japanese-menu - atom.io)
(参照:2020-04-18)

latex

latexパッケージは, TeX Liveなどを通じて, .texファイルを.pdfファイルにコンパイルするパッケージです.

Compile LaTeX (中略) documents from within Atom.

(訳:Atom内からLaTeX (中略) 文書をコンパイルします. )

(出典元:latex - atom.io)
(参照:2020-04-18)

latexパッケージの設定は, 以下のように行います(私が理解している範囲で説明します).

  • TeX Path
    C:\texlive\2020\bin\win32」のように入力します(2020の部分は, インストールしたTeX Liveのバージョンによって変わります).
  • Engine
    使用するLaTeXのエンジンを選択します(ここでの説明は省略します).
  • Enable SyncTeX
    SyncTeXを利用します. SumatraPDFの画面をダブルクリックするとAtomの該当するTeXファイルの行にジャンプしたり, Atomで右クリック→「LaTeX Sync」を選択するとSumatraPDFの該当するPDFファイルの行にジャンプしたりします.
  • Build on Save
    .texファイルが保存されると, 自動でコンパイル(ビルド)するようにできます.
  • Opener
    PDFを何で開くかを選択します. ここではSumatraPDFを使用するので, 「sumatra」を選択します.
  • SumatraPDF Path
    SumatraPDFのパスを入力します. 私は「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\SumatraPDF\SumatraPDF.exe」でした.
  • Keybindings Enable
    特有のショートカットキーのオン・オフを切り替えます. 以下の3つが可能になるみたいです.
    • Ctrl + Alt + B
      LaTeX文書のコンパイル(ビルド)
    • Ctrl + Alt + S
      LaTeX Syncを利用します. Atomで右クリック→「LaTeX Sync」の代わりです.
    • Ctrl + Alt + C
      LaTeX文書のコンパイルの際に出力される.pdf, .dviなどのファイルを全部削除します.

latexer

latexerパッケージは, 主に3つの機能を備えています.

  1. 参照に関して
    「ref」で終わるコマンド(\ref\eqref, あるいは自分でコマンドを定義した\equref, \figref, \tabrefなども含まれます)を入力したときに, \labelでラベリングしたものを検出し, 自動で入力することができます.
  2. 引用に関して
    \citeなどの引用に関しても, 自動入力を利用することができます.
  3. 環境に関して
    \begin{environment}と入力すると,
    \begin{environment}

    \end{environment}
    と自動で入力されます.
Laxer is a package to help you with your every day LaTex needs. It does reference, citation and environment autocompletion on the fly or at the touch of a keystroke.

(訳:Laxerは, あなたの毎日のLaTexの困った事態を助けるパッケージです. その場で, あるいはキータッチで, 参照や引用, 環境の自動入力を行います. )

(出典元:latexer - atom.io)
(参照:2020-04-18)

language-latexsimple

language-latexsimpleパッケージは, LaTeXの文法に合わせて強調表示してくれます.

Provides basic syntax highlighting for TeX/LaTeX and BibTeX files.

(訳:TeX/LaTeXとBibTeXのファイルのための基本的な文法のハイライトを提供します. )

(出典元:language-latexsimple - atom.io)
(参照:2020-04-18)

その他

pdf-viewパッケージを使わない理由

pdf-viewパッケージは, Atom内でPDFを閲覧できるようにしてくれます.

Adds support for viewing PDF files in Atom.

(訳:Atom内でPDFファイルを閲覧するサポートを追加します. )

(出典元:pdf-view - atom.io)
(参照:2020-04-18)

しかし, 実際にpdf-viewパッケージを利用してみると,「.pdfファイル」→「.texファイル」のSyncTeXがうまく動作しません.

pdf-viewパッケージを使用したときの図

私は, ファイル名やディレクトリ名に日本語等が含まれていると, それが文字化けしてしまうせいでもとの.texファイルを見つけることができず, 新規に開いてしまうことが原因であると考えています. 私はこれに対する解決策を見つけることができず, pdf-viewパッケージ以外による方法を見つけるしかなかったのでした.

おわりに

現在のところはこんな感じです. 何かあったら追記していきますので, よろしくお願いします!

(こうするといいよ, というのもぜひコメントでお聞かせください. )

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