ランダウ力学 §18問題6 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§18の問題6の解説です.

問題

Newtonの法則にしたがって重力をおよぼしている球(質量m2, 半径R)の表面に粒子(質量m1)が到達する有効断面積を求めよ.

解答作成

有効ポテンシャルは

(1)U有効(r)=Gm1m2r+M22mr2

である. 衝突の条件はrmin<Rとなることであり(rmin:粒子の軌跡のうちで球の中心に最も近い点の距離), 条件を満たすρのうち最大の値は条件rmin=Rによって決まり, U有効(R)=E, すなわち

Gm1m2R+m2ρmax2v22mR2=12mv2

の根となり, 計算すると

(2)ρmax2=R2+2Gm1m2Rmv2

となる.

ここで, mm1の近似(つまり, m1m2)を用いると

(3)ρmax2=R2(1+2Gm2Rv2)

となるから, 求める有効断面積は

(4)σ=πρmax2=πR2(1+2Gm2Rv2)

となる. vで, σは球の幾何学的断面積πR2に近づく(有効断面積はNewtonポテンシャルエネルギーの影響をほぼ受けない).

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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