ランダウ力学 §23問題2 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§23の問題2の解説です.

問題

2重平面振り子(図1)の微小振動を決定せよ.
本編図21図1

解答作成

§5問題1で見いだされたLagrangianは

L=m1+m22l12φ˙12+12m2l22φ˙22+m2l1l2φ˙1φ˙2cos(φ1φ2)+(m1+m2)gl1cosφ1+m2gl2cosφ2

である. 微小振動を考えれば,

L=m1+m22l12φ˙12+12m2l22φ˙22+m2l1l2φ˙1φ˙2m1+m22gl1φ12m22gl2φ22

となる(定数項は省略). 本編中の表現で

mij=((m1+m2)l12m2l1l2m2l1l2m2l22),kij=((m1+m2)gl100m2gl2)

であるから, 特有方程式は(23.8)より

|(m1+m2)gl1ω2(m1+m2)l12ω2m2l1l2ω2m2l1l2m2gl2ω2m2l22|=0

すなわち,

(1)|(m1+m2)(gω2l1)ω2m2l2ω2l1gω2l2|=0

となり, これを解くと

ω2=g2m1l1l2{(m1+m2)(l1+l2)(2)±(m1+m2)[(m1+m2)(l1+l2)24m1l1l2]}

となる. よって, 求める振動は, この振動数での微小振動の重ね合わせである.

変形すると,

ω2=g2l1l2{(1+m2m1)(l1+l2)(3)±(1+m2m1)[(1+m2m1)(l1+l2)24l1l2]}

となるから, m1の極限で

ω2g2l1l2{(l1+l2)±(l1+l2)24l1l2}=g2l1l2{(l1+l2)±(l1l2)2}=g2l1l2{(l1+l2)±|l1l2|}(4)=gl1またはgl2

となり, それぞれ結合のない2つの振り子の微小振動に近づく.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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