ランダウ力学 §22問題1 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§22の問題1の解説です.

問題

F(t)をうける系の強制振動を, t=0では系はつり合いの位置に静止していた(x=0, x˙=0)という初期条件の下で, つぎの場合について決定せよ:
  1. F=const=F0.
  2. F=at.
  3. F=F0eαt.

解答作成

  1. 次の式
    (22.4)x=acos(ωt+α)+fm(ω2γ2)cos(γt+β)
    において, γ=0, β=0, f=F0とすれば,
    (1)x=acos(ωt+α)+F0mω2
    となる. これを時間微分すると,
    (2)x˙=aωsin(ωt+α)
    となる.
    (1), (2)t=0を代入すると,
    {0=acosα+F0mω20=aωsinα
    となる. a=0だとF0/mω2=0となるので矛盾. よって, sinα=0, そしてcosα=±1となる. この正負はaを考えることで消える. a
    a=F0mω2
    であるが, 振幅としては正の方, すなわち
    (3)a=F0mω2
    の方を採用し, αcosα=1の方を採用するから,
    (4)α=π
    となる.
    (1)(3), (4)を代入すると
    x=F0mω2cos(ωt+π)+F0mω2(5)=F0mω2(1cosωt)
    となる.

  2. 次の式
    (22.10)ξ=eiωt(0t1mF(t)eiωtdt+ξ0)
    F=atを代入して,
    ξ=eiωt(0tatmeiωtdt+ξ0)(6)=iamωt+amω2(1eiωt)+aξ0meiωt
    となる.
    ここで,
    (22.9)ξ=x˙+iωx
    であるから, ξ(0)=0である. ゆえに, (6)より
    0=aξ0m(7)ξ0=0
    となる. (6), (7)より
    (8)ξ=iamωt+amω2(1eiωt)
    となる. また, (22.9)より
    (9)Imξ=ωx
    となる. したがって, (8), (9)より
    ωx=amωtamω2sinωt(10)x=amω3(ωtsinωt)
    となる.

  3. (22.10)に代入して,
    ξ=eiωt(0tF0eαtmeiωtdt+ξ0)(11)=F0(α+iω)m(α2+ω2)(eαt+eiωt)+F0ξ0meiωt
    となる. bと同様にξ0=0((7)参照)であるから,
    (12)ξ=F0(α+iω)m(α2+ω2)(eαt+eiωt)
    である. そして, (9)も同様であるから,
    ωx=F0m(α2+ω2)(αsinωt+ωeαt+ωcosωt)(13)x=F0m(α2+ω2)(αωsinωt+cosωt+eαt)
    となる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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