ランダウ力学 §20問題1 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§20の問題1の解説です.

問題

(20.3)(18.4)式から求めよ.

(20.3)

(20.3)θ1=2ρm1v2ρdUdrdrr2ρ2

であり, (18.4)

(18.4)φ0=rminρdrr21ρ2r22Umv2

である.

解答作成

積分の見かけ上の発散を防ぐため, (18.4)

φ0=ρrminR1ρ2r22Umv2dr

とする(後でRとする). この被積分関数をUでTaylor展開すると,

φ0ρrminR1ρ2r2dr+ρrminRU(r)drmv21ρ2r2dr=rminRρdrr21ρ2r2+ρ{1mv2[U(r)r2ρ2]rminR1mv2rminRr2ρ2dUdrdr}

となる. ここで, R, およびrminρの近似を利用すれば,

(1)ρρdrr21ρ2r2=π2,(2)limrρU(r)r2ρ2=0,(3)limrU(r)r2ρ2=0

である*1 から,

φ0=π2+ρmv2ρ1r2ρ2dUdrdr

となる. ゆえに, χ=π2φ0より,

(4)χ=2ρmv2ρ1r2ρ2dUdrdr

となる. これは(20.3)に等しい.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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脚注

*1 : (1)u=ρ/rの置換を用いることで

ρρdrr21ρ2r2=01du1u2=[sin1u]01=π2

となる. (2)に関してはU(r)が発散するような点がないと考え, (3)rU(r)が急速に0に近づくと考える.

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