ランダウ力学 §23問題3 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§23の問題3の解説です.

問題

中心力の場U=kr2/2における粒子の運動の軌跡を見いだせ(空間振動子とよばれる).

解答作成

すべての中心力の場における運動は, 1つの平面内で行われる(§14参照). その平面をxy平面にとる.

本編中の議論と同様に, x, y方向には同じ振動数ω=k/mをもつ単振動を行う. よって,

(1){x=acos(ωt+α),y=bcos(ωt+β)

である. ここで, φ=ωt+α, δ=βαという記号を導入すれば,

{x=acosφ,y=bcos(φ+δ)

すなわち,

(2){x=acosφ,y=bcosφcosδbsinφsinδ

となる. ゆえに, cosφsinφについて解いて,

(3){cosφ=1ax,sinφ=1atanδx1bsinδy

となる. cos2δ+sin2δ=1より

(1ax)2+(1atanδx1bsinδy)2=1x2a2+x2a2tan2δ2abtanδsinδxy+y2b2sin2δ=1x2a2sin2δ+x2a2tan2δsin2δ2abtanδxysinδ+y2b2=sin2δx2a2sin2δ+x2a2cos2δ2abxycosδ+y2b2=sin2δ(4)x2a22abxycosδ+y2b2=sin2δ

となる. これは, 座標原点を中心とする楕円である. δ=0,πのときには, 軌跡は線分になる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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