ランダウ力学 §8問題 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§8の問題の解説です.

問題

1つの慣性基準系から他の慣性基準系へ移るときの, 作用の変換法則を求めよ.

解答作成

本編よりLagrangianは, 運動エネルギーTとポテンシャルエネルギーUを用いて

L=TU

と表される. 各粒子の速度vaを用いて書くと,

L=12amava2U

となる.

基準系K'が基準系Kに対して速度Vで動いているとすると, K系, K'系に関する各粒子の速度va, vaの間には

va=va+V

の関係がある. これに則ってLagrangianを変換すると,

L=12ama(va+V)2U=12ama(va)2+amavaV+12amaV2U=12ama(va)2U+Vamava+V212ama

となる. K'系でのLagrangian

L=12ama(va)2U

と系全体の質量の和

(1)μ=ama

を用いると,

(2)L=L+Vamava+12μV2

となる. これが, Lagrangianの変換法則である.

作用はLagrangianの時間に関する積分であるから, (2)を時間について積分すれば, 作用に関する変換法則が得られるはずである. 実際, (2)を時間について積分すると(任意定数は運動方程式を作る際に消えるので考えない),

S=S+Vamara+12μV2t=S+Vamaraamaama+12μV2t

となり, K'系における系の慣性中心

R=amaraama

と系全体の質量の和(1)を用いると,

(3)S=S+μVR+12μV2t

となる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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