ランダウ力学 §21問題6 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§21の問題6の解説です.

問題

曲線にそって(重力場のなかで)左右に往復する粒子の振動数がその振幅によらないようにその曲線を求めよ.

解答作成

与えられた条件を満たす曲線は, つり合いの位置からはかった弧長をsとして, 粒子のポテンシャルエネルギーが

U=ks22

となるようなものである*1. しかし, 重力場の中ではU=mgyとなるから,

y=ω22gs2

あるいは

(1)s=2gyω

でなければならない. (1)の微分を計算すると

(2)dsdy=gω2y

となる.

ここで, ds2=dx2+dy2であるから, (2)を利用して,

x=(dsdy)1dy(3)=g2ω2y1dy

となる. (3)の積分は

(4)y=g4ω2(1cosξ)

とおくことで解けて,

(5)x=g4ω2(ξ+sinξ)

となる*2.

まとめると, 求める曲線は

(6){x=g4ω2(ξ+sinξ)y=g4ω2(1cosξ)

とパラメータ表示される曲線で, サイクロイド(cycloid)とよばれる.

青実線:サイクロイド 灰実線:放物線 灰破線:直線図 青実線:サイクロイド 灰実線:放物線 灰破線:直線

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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脚注

*1 : 実際, 運動エネルギーが

T=ms˙22

となるから, Lagrangianが

L=TU=ms˙22ks22

となる. そして, その振動数はsの初期値に関係なく

ω=km

となる. なお, 例えば変位の3次に比例する項が存在する場合, その振動数は振幅に依存するようになる(§28参照).

*2 : 積分の計算経過は, 以下のようになる.

x=g2ω2g4ω2(1cosξ)1g4ω2sinξdξ=g4ω221cosξ11cos2ξdξ=g4ω21+cosξ1cosξ(1cosξ)(1+cosξ)dξ=g4ω2(1+cosξ)dξ=g4ω2(ξ+sinξ)

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