ランダウ力学 §27問題3 解説-Shinoryo's Weblog

ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§27の問題3の解説です.

問題

支点が鉛直方向に振動している平面振子の微小振動に対するパラメータ共鳴の条件を見いだせ.

§5問題3でLagrangianはすでに求まっていて,

\begin{aligned} (1) & L & = \frac{1}{2} m l^{2} {\dot{φ}}^{2} + m a γ^{2} l \cos φ \cos γ t + m g l \cos φ \end{aligned}

である.

\begin{array}{r} (2) & {\begin{aligned} \frac{\partial L}{\partial φ} & = - m a γ^{2} l \sin φ \cos γ t - m g l \sin φ, \\ \frac{\partial L}{\partial \dot{φ}} & = m l^{2} \dot{φ} \end{aligned} \end{array}

であるから, 運動方程式は,

\begin{aligned} m l^{2} \ddot{φ} + m a γ^{2} l \sin φ \cos γ t + m g l \sin φ & = 0 \\ (3) & \ddot{φ} + \frac{a}{l} γ^{2} \sin φ \cos γ t + ω_{0}^{2} \sin φ & = 0 \end{aligned}

となる( $ω_{0}^{2} = g / l$ ). 微小振動を調べるために $φ ≪ 1$ として $φ$ の2次以降を無視し, 共鳴付近を調べるために $γ = 2 ω_{0} + ε$ として $ε$ の1次以降を無視すれば,

\begin{aligned} (4) & \ddot{φ} + ω_{0}^{2} {1 + 4 \frac{a}{l} \cos (2 ω_{0} + ε) t} φ & = 0 \end{aligned}

となる. ゆえに, 本編におけるパラメータ $h$ は

\begin{aligned} (5) & h & = 4 \frac{a}{l} \end{aligned}

であるから, 本編(27.12)にこれを代入して,

\begin{array}{r} (6) & - \frac{2 a \sqrt{g}}{l^{\frac{3}{2}}} < ε < \frac{2 a \sqrt{g}}{l^{\frac{3}{2}}} \end{array}

となる.

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.