ランダウ力学 §20問題2 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

B!
すしぱく様によるフリー素材ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/)からの画像をShinoryoが加工した画像

ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§20の問題2の解説です.

問題

U=α/rn(n>0)の場による小角度の散乱の有効断面積を求めよ.

解答作成

微小角度での散乱の散乱角θ1と衝突パラメータρの関係式

(20.3)θ1=2ρm1v2ρdUdrdrr2ρ2

を用いる.

dUdr=αn1rn+1

(20.3)に代入すると

θ1=2ραnm1v2ρdrrn+1r2ρ2

となる. ここで,

u=ρ2r2

の置換を用いると

θ1=αnm1v2ρn01un12durn11u=αnm1v2ρn01un+121(1u)121du=αnm1v2ρnB(n+12,12)=αnm1v2ρnΓ(n+12)Γ(12)Γ(n2+1)=2παm1v2ρnΓ(n+12)Γ(n2)

となる*1. よって, これをρについて解くと

ρ2=(2παm1v2Γ(n+12)Γ(n2))2nθ12n

となり, 微分を計算すると

(1)d(ρ2)dθ1=2n(2παm1v2Γ(n+12)Γ(n2))2nθ12n1

となる.

ここで, 散乱の有効断面積dσと散乱角θ1との関係式

(20.4)dσ=|dρdθ1|ρ(θ1)θ1do1

は,

(2)dσ=|d(ρ2)dθ1|12θ1do1

と書き直せる. (1), (2)より,

(3)dσ=1n(2παm1v2Γ(n+12)Γ(n2))2nθ12n2do1

となる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

関連記事

脚注

*1 : ベータ関数, ガンマ関数については, §11問題2を参照されたい. また, §11問題2で述べていないこととして, ガンマ関数について

Γ(z+1)=zΓ(z)

が成り立つことも利用している.

Search

About Me

自分の写真
理系大学生でした. Bloggerを利用して発信を行っています.

Labels

Blog Archives