ランダウ力学 §17問題 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§17の問題の解説です.

問題

運動している粒子(質量m1)が静止している粒子(質量m2)と衝突したのちの両方の粒子の速さを, L系でのふれの角度で表せ.

解答作成

(手書きの図を紛失したので, 本編p. 56の図16をご覧ください. )

まず, v2θ2で表す. 図16において, OBCは二等辺三角形であることから,

p2=2mvcosθ2

であるから,

(1)v2=2mm2vcosθ2

となる.

次に, v1θ1で表す. OACにおいて余弦定理を適用すれば,

OC2=OA2+AC22OAACcosθ1

となる. 各値を代入して

(m1m2m1+m2)2v2=(m12m1+m2)2v2+m12(v1)22m13m1+m2v1vcosθ1m22(m1+m2)2=m12(m1+m2)2+(v1v2)22mm2v1vcosθ10=(v1v2)22mm2v1vcosθ1+m12m22(m1+m2)2(2)0=(v1v2)22mm2v1vcosθ1+m1m2m1+m2

となるから, 2次方程式の解の公式より

v1v=mm2cosθ1±m2m22cos2θ1m1m2m1+m2=m1m1+m2cosθ1±m12(m1+m2)2cos2θ1m12m22(m1+m2)2=m1m1+m2cosθ1±1m1+m2m12cos2θ1(m12m22)=m1m1+m2cosθ1±1m1+m2m22m12sin2θ1

となり,

(3)v1=m1vm1+m2cosθ1±vm1+m2m22m12sin2θ1

となる. ただし,

  • m1<m2のとき, 複号は+のみをとる(θ1=0の状況を考えればよい)
  • m1>m2のとき, 複号はどちらの符号も可能

である.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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