ランダウ力学 §16問題1 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

B!
すしぱく様によるフリー素材ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/)からの画像をShinoryoが加工した画像

ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§16の問題1の解説です.

問題

2個の粒子へ崩壊するときの, 崩壊粒子のL系での飛行方向θ1θ2とのあいだの関係を求めよ.

解答作成

本編の通り, 粒子は大きさが同じで反対向きの運動量で離れていく(C系では)ので, 両方の粒子の飛行角は

(1)θ10=πθ20

の関係にある. 粒子1に関して

(16.5)tanθ=v0sinθ0v0cosθ0+V

を適用すると,

tanθ1=v10sinθ10v10cosθ10+V(2)v10cosθ10+V=v10sinθ10cotθ1

となる. 一方, 粒子2に関して(16.5)を適用する, 粒子1と同様にして

v20cosθ20+V=v20sinθ20cotθ2

となるが, (1)を用いて

v20cos(πθ10)+V=v20sin(πθ10)cotθ2(3)v20cosθ10+V=v20sinθ10cotθ2

となる. (2), (3)を連立させて, sinθ10, cosθ10について解くと,

(4){sinθ10=(v10+v20)Vv10v20(cotθ1+cotθ2)cosθ10=(v10cotθ1v20cotθ2)Vv10v20(cotθ1+cotθ2)

となる. 三角関数の性質sin2θ+cos2θ=1より

{(v10+v20)V}2+{(v10cotθ1v20cotθ2)V}2(5)={v10v20(cotθ1+cotθ2)}2

となり, 整理して

v10v20sin2θ2+v20v10sin2θ12sinθ1sinθ2cos(θ1+θ2)(6)=v10v20V2sin2(θ1+θ2)

となる. ここで, C系での運動量保存から,

m1v10m2v20=0(7)v10v20=m2m1

となる. そして, 崩壊エネルギーεの式

(16.2)ε=p022(1m1+1m2)=p022m

を変形して

ε=m12v1022m1+m2m1m2(8)2εm1+m2=m12v1021m1m2=m1m2v102=v10v20

となる. (6), (7), (8)より,

m2m1sin2θ2+m1m2sin2θ12sinθ1sinθ2cos(θ1+θ2)(9)=2ε(m1+m2)V2sin2(θ1+θ2)

となり, θ1θ2の関係が求まった.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

関連記事

Search

About Me

自分の写真
理系大学生でした. Bloggerを利用して発信を行っています.

Labels

Blog Archives