ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§14の問題1の解説です.
問題
解答作成
球の中心を原点とし, 鉛直下向きの方向を極軸とする球座標では, 本編(4.6)を利用して
となる. 座標
となる.
エネルギーは
である. これを
となり, 変数分離で積分して
となる.
また,
となる. これを用いると
となり, 変数分離で積分して
となる.
運動可能領域
角度
すなわち
で決められる. 境界を求める方程式は,
以下,
と定める.
のグラフは のとき , のとき となるような3次関数のグラフである.- 計算すれば,
の導関数 を計算すると, を満たす は の方は負であり, の方は正である. また, の範囲であることが分かる.
以上から,
図のように, 方程式
- 2つの根を持てば, その根は球面上の2つの緯線の位置を決定し, 軌跡全体はこの2つの緯線の間に含まれる.
- 1つの根しかもたなければ, その根は球面上の1つの緯線の位置を決定し, 質点はこの緯線上を運動する.
- 根を持たない場合は, 運動可能領域がないということになるので, 物理的には存在しないであろう. (この可能性は, 「極小値が正でない」や「
が虚数根を持たない」などを説明できれば消える. )
参考文献
Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.
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