ランダウ力学 §10問題2 解説

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物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§10の問題2の解説です.

問題

ポテンシャルエネルギーを定数倍だけ変化させたとき, 同一の軌道に沿っての運動の時間はどう変化するか.

解答作成

全ての時間を$\alpha$倍すると同時にポテンシャルエネルギーを$\beta$倍する変換

\begin{align} t &\to \alpha t \qquad U \to \beta U \nonumber \end{align}

を考えると, 運動エネルギー$\displaystyle T = \sum_a \frac{1}{2} m_a \left( \frac{\mathrm{d} \bm{r}_a}{\mathrm{d} t} \right)^2$は$\displaystyle \alpha^{-2}$倍となる. よって, $\alpha$と$\beta$の間に

\begin{align} \alpha^{-2} &= \beta \nonumber \\ \alpha &= \beta^{-\frac{1}{2}} \nonumber \end{align}

の関係があるとき, Lagrangianが同じになるから運動方程式は不変にとどまる. 座標は変化させていないため, 運動は同一の軌跡となる.

したがって, それぞれが運動に要する時間のあいだの比は, ポテンシャルエネルギー比の$- 1 / 2$乗になり,

\begin{align} \frac{t'}{t} &= \sqrt{\frac{U}{U'}} \end{align}

となる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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