ランダウ力学 §32問題4 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

B!
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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題4の解説です.

問題

図39に示すような系の運動エネルギーを見いだせ. OAおよびABは, 長さlの細い一様な棒で, 点Aで蝶つがいによってつながれている. 棒OAは(図の平面内で)点Oのまわりに回転し, 棒ABの端Bは軸xにそってすべるものとする.
本編図39図39

解答作成

棒OAの慣性中心の座標(X,Y)は, 角度AOBをφとして

(1)X1=l2cosφ,(2)Y1=l2sinφ

である. 時間微分して

(3)X˙1=lφ˙2sinφ,(4)Y˙1=lφ˙2cosφ

となる. 角速度はφ˙であるから, 1本の棒の質量をμ, 棒の慣性モーメントをIとして, 棒OAの運動エネルギーが

T1=μ2(X˙12+Y˙12)+Iφ˙22(5)=μl2φ˙28+Iφ˙22

と得られる.

棒ABの慣性中心の座標(X,Y)は, 角度AOBをφとして

(6)X2=3l2cosφ,(7)Y2=l2sinφ

である. 時間微分して

(8)X˙2=3lφ˙2sinφ,(9)Y˙2=lφ˙2cosφ

となる. 角速度は棒OAと同じくφ˙であるから, 棒ABの運動エネルギーが

T2=μ2(X˙22+Y˙22)+Iφ˙22(10)=μl2φ˙28(1+8sin2φ)+Iφ˙22

と得られる.

以上を合わせると, 系の全運動エネルギーが

T=T1+T2(11)=μl2φ˙28(2+8sin2φ)+Iφ˙2

が得られる. I=μl2/12(§32問題2のaを参照)を代入すれば,

T=μl2φ˙28(2+8sin2φ)+μl2φ˙212(12)=μl2φ˙23(1+3sin2φ)

が得られる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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