ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題7の解説です.
問題
解答作成
(円錐の図を書くのが面倒なので, 本編p.131の図42をご覧ください. )
並進運動のエネルギーと回転運動のエネルギーに分けて考える.
平面上の
並進運動
さて, 並進運動を瞬間的に考えると,
である. 円錐の質量を
となる. 頂点から慣性中心までの距離は,
である(こちらの記事参照)から, これを代入すると,
となる.
回転運動
続いて, 回転運動のエネルギーについて考える. この回転運動の角速度
となる
である. 円錐の軸のまわりの慣性モーメントを
となる. ここで, 一様な円錐の慣性モーメント
となる(ただし,
という関係が成り立つ. これらを代入すると
となる.
並進運動と回転運動の合計
以上から, 求める運動エネルギーは,
である.
参考文献
Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.
関連記事
ランダウ力学 §32問題1 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題1の解説です. スポンサーリンク 問題 分子を, 互いの距離が不変な粒子の系とみなして, 以下の場合について主慣性モーメントを定めよ: 1本の直線状にならんだ原子からな...
ランダウ力学 §32問題2(a-c) 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題2(a-c)の解説です. スポンサーリンク 問題 つぎのような一様な物体の主慣性モーメントを求めよ. 長さ
ランダウ力学 §32問題2(d-f) 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題2(d-f)の解説です. スポンサーリンク 問題 つぎのような一様な物体の主慣性モーメントを求めよ. 辺の長さが
ランダウ力学 §32問題2 円錐に関する計算
こんにちは, Shinoryoです. 今回は完全に忘備録的なものです. ご容赦を……. スポンサーリンク ランダウ力学§32問題2で登場した円錐に関する計算 ここでは, 高さ
ランダウ力学 §32問題4 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題4の解説です. スポンサーリンク 問題 図39に示すような系の運動エネルギーを見いだせ. OAおよびABは, 長さ
ランダウ力学 §32問題5 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題5の解説です. スポンサーリンク 問題 平面上をころがる円柱(半径
ランダウ力学 §32問題6 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題6の解説です. スポンサーリンク 問題 半径
ランダウ力学 §32問題8 解説
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§32の問題8の解説です. スポンサーリンク 問題 一様な円錐があって, その底面の円周は一つの平面上をころがり, 頂点は, 平面の上方, 底面の半径に等しい高さの点に静止して保持される(したが...
ランダウ力学 解説掲載をしていない問題について
ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の解説掲載をしていない問題についてコメントします. スポンサーリンク 解説作成を検討している問題 解説作成を検討している問題を, 以下に示します. 解説作成の取りやめを決断した問題 解説作成の取...
脚注
*1 : 慣性中心と直線
0 件のコメント:
コメントを投稿 (Please feel free to ask me about your questions! You can use Japanese or English in the comments.)