ランダウ力学 §40問題1 解説

投稿日:  更新日:2022/09/02

物理学 力学

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ランダウ゠リフシッツ理論物理学教程の力学(増訂第3版)の§40の問題1の解説です.

問題

1個の質点のHamiltonianを, それぞれデカルト座標, 円柱座標, 球座標で求めよ.

解答作成

本編で1個の自由な質点のデカルト座標, 円柱座標, 球座標でのLagrangianは求めていて, これにポテンシャルエネルギーを付加することで, Lagrangianは

{L=m2(x˙2+y˙2+z˙2)U(x,y,z),L=m2(r˙2+r2φ˙2+z˙2)U(r,θ,z),L=m2(r˙2+r2θ˙2+r2sin2θφ˙2)U(r,θ,φ)

となり, エネルギーは

(1){E=m2(x˙2+y˙2+z˙2)+U(x,y,z),E=m2(r˙2+r2φ˙2+z˙2)+U(r,θ,z),E=m2(r˙2+r2θ˙2+r2sin2θφ˙2)+U(r,θ,φ)

となる.

系のエネルギーが座標と運動量とで表されているとき, 系のHamiltonianという. よって, q˙q, pで表さなくてはならない. 一般運動量は

(7.5)pi=Lq˙i

であるから, デカルト座標では

(2){px=Lx˙=mx˙,py=Ly˙=my˙,pz=Lz˙=mz˙

となり, 円柱座標では

(3){pr=Lr˙=mr˙,pθ=Lθ˙=mr2θ˙,pz=Lz˙=mz˙

となり, 球座標では

(4){pr=Lr˙=mr˙,pθ=Lθ˙=mr2θ˙,pφ=Lφ˙=mr2sin2θφ˙

となる.

以上からHamiltonianを求める. (1), (2)より, デカルト座標におけるHamiltonianは,

(5)H=12m(px2+py2+pz2)+U(x,y,z)

となる. また, (1), (3)より, 円柱座標におけるHamiltonianは,

(6)H=12m(pr2+pθ2r2+pz2)+U(r,θ,z)

となる. また, (1), (4)より, 球座標におけるHamiltonianは,

(7)H=12m(pr2+pθ2r2+pφ2r2sin2θ)+U(r,θ,φ)

となる.

参考文献

Landau, L. D.; Lifshitz, E. M. 力学. 広重徹, 水戸巌訳, 増訂第3版, 東京図書, 1974, 214p.

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